観光地レポート プリント
会仙湿地には青く爽やかな風が吹く……
更新日:2019年05月24日

会仙湿地は、桂林市から約30キロの所に広がっています。湿地の広さは約3000ムー(200万平方m)もあります。湿地は水の循環にとって、とても重要な役目を果たしています。「気候の調整、水源の保持、水質の浄化作用」などの働きをしており、常時、湿地の水の四分の一の量を漓江へ送り、新鮮な水を供給し続けています。その為、水の専門家たちは「漓江の腎臓」と呼んでいます。

ニーハオ!ようこそ~チャイナエイトへ~!

会仙湿地の中ほどに位置する七星村では、10年前から湿地巡りの遊覧が始まりました。しかし、世間一般には余り知られず、最近になりテレビなどで取り上げられ知られるようになりました。

 

会仙湿地の楽しみ方には三つの方法があります。

【山登り】 この湿地は広く山々に半円状に囲まれ、頂上からの眺めは“漓江の山水にも劣らない”と言われます。

【トレッキング】 大きな空の下に広がる水路と複雑に分断された耕地の中を歩き回る爽快さは、心と体のリフレッシュになります。

【船での遊覧】 ノンビリ、ユッタリと湿地を楽しむに最適の方法です。

 

撮影日:2013年8月25日

撮影場所:広西省桂林市臨桂県 会仙鎮七星村の湿地

 

桂林鉄道駅近くのバスターミナルからバスを利用します。

会仙鎮行はローカル路線のようで、ターミナルの分かりにくい端にあり、バスも中型のかなり古いものです。

一応エアコンの吹出し口は付いているものの、その機能はとっくに失われている状態です。

外は、雨上がりのそう高くない気温ですが、バスの中はむっとする暑さです。

待ち時間10分程の間に、他に2、3人の客が増え、午前の11時過ぎのまばらな客で発車する。

走り出すと風が快適に通ってゆく。市街地の外れまではノロノロ運転が続き、途中の適当な場所に立っているお客を拾いつつのゆっくりした走行である。

市街地を出ると車も少く、大きく成長した並木の続く道路を快適に走り出す。

 

中国経済は2桁成長の勢いは無くなったと言われますが、地方の小都市に過ぎない桂林においてさえ、住宅建設はまだまだ盛んで、マンション団地の建設現場が両側に続々と展開していきます。

 

村に通じる道の角に50分程で着き、村に向かって歩き掛けると、乗り合い三輪車が来てそれに乗る。

真っ直ぐに延びた一本道は、車がやっと擦れ違えるほどの幅で、農道を少し広くした位であるが、比較的最近に舗装されたコンクリート道で、村の専用道としては立派な道である。

乗り合いの後部は全面開け放しで、そこからは見渡す限り青い麦の穂波が見え、気持ち良く15分程で村に到る。村の手前の分れ道に、鳥居風な立派なゲートが建っていて、その前で旗を持った案内係が立っている。そこで一人の中年農婦が便乗りしてくる。乗り合いは村の奥まった小さな空き地に止まり、降りると連れがここで待っていると船頭さんが来ると言う。

 

暫くすると、先程村の手前で便乗して来た女性が、幼稚園で使うような低い木製椅子2個と、丸い大きなツバの竹で編んだ農作業用の帽子を通した長い竹棹を肩に現れ案内してくれる。

家々が立て込んだ狭い路地を奥へ抜けてゆくと、日干しの土で固めたレンガの壁で造られた家が多く、風雨に晒されヒビ割れたり欠けたりしている。所々、本物の赤レンガの家も混っている風景は、後で船の上で聞く”10年前位から湿地遊覧を始め、3、4年前からお客さんが増えた”との船頭さんの話しと共に解釈すると、この村は貧しい時代が長く、最近になり観光収入も得られるようになり、除々に良くなりつつある最中のようである。

 

船着場に出ると、溜池のような小さめで余り綺麗とはいえない水面がある。

すこし先で右に曲り水路が延びているようであるも、船着場からは見通せない。

20艘程の鉄板で造られた小型の伝馬船が浮いている。

先客の家族連れ数組が船に乗り込もうとしている。

我々の船頭が船着場へ自分の船を寄せ、早朝の雨で溜まった水であろう船底の水を掻き出し、そこに棹に下げてきた低い椅子を置き、我々2人が腰を降すと、棹を差し岸を離れる。

漕ぎ出して右に曲ると、すこし先に石橋が見え、そこまでの右岸に全く同型の鉄船がびっしりと係留されている。

 

この村は、湿地帯の中ほどに在る孤立した村で、周囲に広がる耕地に通じる陸路は余りなく、田畑に往来する人や農機具・収穫物は、殆ど水路を利用して運ばれるので、200世帯程のこの村では、一家に一艘は必要で、以前は昔からの木造船であったのが、10年前に遊覧を始めた頃から、序々に鉄製に切替ったもので、元々農作業に使用するものなので、何の飾りもない平底をした荷物を多く積めそうな鉄船であり、それを農業に、遊覧にと用いているのです。

 

橋を潜り村の外の水路へ出るとゴミなども無く、土色にすこし濁っているも、割に綺麗な水になり、手を入れてみると優しい肌触りです。

先客の4人ずつ乗った船に比べ、我々が2人なのか先頭の腕の良いせいか速度が速く、先客の4艘を抜き先頭に出る。さらに距離を離して1艘だけの遊覧になってします。

 

遥か遠くに桂林特有の尖った山々が望め、その山裾まで田畑が広がっている様子である。

その中の水路を進むと、辺りは青く若い麦畑が続き、処々ブトウ棚もあり、花の季節は終わっているも、スイレンの群生や水草の浮く群生もありと、ゆっくりと両岸に現れるものを眺めながら船は進みます。

 

雨上がりの白い雲の多い空の下で、平坦に展がった広々とした麦畑を吹き渡ってくる風は、正に緑の風と言う表現にぴったりです。

遠くに時々鳴く鳥やセミの声と船頭さんとの話し声、それに棹を差す水音以外に音のない静寂の世界は、中国に来て以来初の経験です。空気が甘く美味しいと感じたのも初めてです。

まだ8月なので、ときどき雲間から日が差すと、さすがに暑く感じますが、とても気持ちの良い1艘だけの船行です。

 

処々水路の分れ路が見えるものの、水面上に腰を降している状態からは、この湿地の全体像は皆目見当がつきません。

全く人のいない水路にアヒルたちが、体が水面につかないほどに水上を駆足し、あわてて離れようとする様も、とても面白く可愛らしいものです。

アヒルは全く人がいない状態で放し飼いしても、「沒問題」なのだと感心します。

 

この様に、取り立て何があるという訳けではありませんが、素晴らしい景色と空気を身一杯に受け、正に全身が緑に染めたような1時間半は、沁み沁みと満足りた時間になりました。

 

村を離れる際に知りましたが、村の手前に建つゲートは、新しく造られる船着き場へ通じる玄関口だそうで、次回に来る時には村の中を通り抜けずに直接に乗り入れられるようになり、村の生活用水が流れ込んでいない水面へ出られるようになっているでしょう。

 

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